在宅医療・介護連携支援事業についてのご意見募集
2024/01/27
田村地方在宅医療・介護連携支援センターに皆様のご意見をお寄せください。
- これからの在宅医療・介護連携支援事業を考える
- 厚生労働省が示す医療と介護の一体的な改革・医療及び介護の総合的な確保の意義
- 医療と介護の一体的な改革
- 医療及び介護の総合的な確保の意義
我が国の医療・介護の提供体制は、世界に冠たる国民皆保険を実現した医療保険制度及び2000(平成12)年に創設され社会に定着した介護保険制度の下で、着実に整備されてきました。一方、高齢化の進展に伴い疾病構造が変化し、これに併せて必要な医療・介護ニーズが変化するなど、医療・介護の提供体制を取り巻く環境は大きく変化しています。
いわゆる団塊の世代が全て75歳以上となる2025(令和7)年にかけて、65歳以上人口、とりわけ75歳以上人口が急速に増加した後、2040(令和22)年に向けてその増加は緩やかになる一方で、既に減少に転じている生産年齢人口は、2025(令和7)年以降さらに減少が加速します。
全国で見れば、65歳以上人口は2040(令和22)年を超えるまで、75歳以上人口は2050(令和32)年を超えるまで増加が続きますが、例えば、要介護認定率や一人当たり介護給付費が急増する85歳以上人口は2025(令和7)年まで75歳以上人口を上回る勢いで増加し、2035(令和17)年頃まで一貫して増加します。また、外来患者数は2025(令和7)年頃、入院患者数は2040(令和22)年頃、在宅患者数は2040(令和22)年以降に最も多くなります。
一方で、都道府県や2次医療圏単位で見れば、65歳以上人口が増加する地域と減少する地域に分かれ、入院・外来・在宅それぞれの医療需要も、ピークを迎える見込みの年が地域ごとに異なります。
生産年齢人口が減少していく中で、急激に高齢化が進行する地域もあれば、高齢化がピークを越える地域もあるなど、人口構成の変化や医療及び介護需要の動向は地域ごとに異なります。こうした地域の実情に応じた医療及び介護提供体制の確保を図っていくことが重要です。その際、中山間地域や離島では、地理的要因によって医療や介護の資源が非常に脆弱な地域も存在することに留意する必要があります。
また、求められる患者・利用者の医療・介護ニーズも変化しています。高齢単身世帯が増えるとともに、慢性疾患や複数の疾患を抱える患者、医療・介護の複合ニーズを有する患者・利用者が増加しており、医療・介護の連携の必要性が高まっています。
特に、認知症への対応については、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人やその家族の視点を重視しながら共生と予防を車の両輪として施策を推進していく必要があります。
また、人口構造が変化していく中で、医療保険制度及び介護保険制度については、給付と負担のバランスを図りつつ、両制度の持続可能性を確保していくことが重要です。
こうした中で、医療及び介護の提供体制については、サービスを利用する国民の視点に立って、ニーズに見合ったサービスが切れ目なく、かつ、効率的に提供されているかどうかという観点から再点検していく必要があります。また、高齢化が急速に進む都市部や人口が減少する過疎地等といったそれぞれの地域の高齢化の実状に応じて、安心して暮らせる住まいの確保や自立を支える生活支援、疾病予防・介護予防等との連携も必要です。
このように、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上となる2025(令和7)年、その後の生産年齢人口の減少の加速等を見据え、患者・利用者など国民の視点に立った医療・介護の提供体制を構築し、国民一人一人の自立と尊厳を支えるケアを将来にわたって持続的に実現していくことが、医療及び介護の総合的な確保の意義です。